映画放送趣味の部屋 ~ ミュージカル
黄金期のハリウッドが最も得意としたジャンルの一つで、歌や踊りが盛り込まれた映画をさす。歌と踊りで物語を綴るというアメリカン・ ミュージカルは、1866年ニューヨークの劇場で初めて生まれ、1927年に最初の本格的なアメリカン・ミュージカルである『ショウ・ボート』が上演され る。同年には最初のトーキー『ジャズ・シンガー』が 公開され大ヒットを記録すると、映画での音楽の需要は急激に増し、美しく楽しい歌や華麗なダンスを売りにしたミュージカルはハリウッドにとって欠かせない ジャンルとなる。最初の頃は、歌と踊りだけが見せ場でストーリーはたわいないシネ・ミュージカルが多数作られていたが、やがて『四十二番街』(33)や『雨に唄えば』(52)な ど、見応えのある物語に、映画的な見せ場や歌と踊りを違和感なく盛り込んだ質の高いミュージカルが制作されるようになる。シネ・ミュージカルには、ストー リーのない歌と踊りがメインのレヴュー[『ジーグフェルド・フォーリーズ』(46)]、オペラを基にしたオペレッタ・ミュージカル[『ラヴ・パレイド』 (29)]、ダンス・ミュージカル[『トップ・ハット』(35)等のフレッド・アステアとジンジャー・ロジャースのコンビによる一連の作品]、ショービジネスの世界を舞台にしたバックステージ・ミュージカル[『ショウほど素敵な商売はない』(54)]、コメディと音楽のコンビネーション[ビン・クロスビーとボブ・ホーブの『珍道中』シ リーズ]、ドラマと音楽のコンビネーション[『スター誕生』(37 54&74)]の6つのサブ・ジャンルがある。また、ハリウッド黄金期には ソーニャ・へ二ー主演のスケート・ミュージカル[『水上乱舞』(38)]や、エスター・ウィリアムズ主演の水泳ミュージカル[『世紀の女王』(44)]な ど異色のミュージカルも製作された。