映画放送趣味の部屋 ~ ヘイズ・オフィス
ハリウッドが黄金期に設立した映画を検閲する機関である映画制作倫理規定管理局を擁する「アメリカ映画制作者配給者協会(MPPDA)」 のことで、会長であった共和党政治家ウィル・ヘイズの名を取ってこう呼ばれた。20年代のハリウッドでは業界の発展とは裏腹に、喜劇俳優ロスコー・アー バックルの婦女暴行事件などで業界はスキャンダルにまみれ、劇中の暴力やセックス描写は日増しにエスカレートしていった。その結果、保守派の批判を招いて 全米各地で映画撲滅運動が起こったため、ハリウッドの有力者たちは業界内の規制と、風俗を乱す映画を追放することを目的として、22年に長老派教会の大御 所で元郵政長官のヘイズを会長に迎えてMPPDAを設立する。34年にへイズは映画制作倫理規定(プロダクション・コード)と呼ばれる自主検閲規則を尊守 することを表明。ハリウッドは自主的に作品の内容を検閲して劇中の性、暴力、反社会的な行為の描写の規制の強化を図る。MPPDAは映画の内容を検閲する 機関である映画制作倫理規定管理局(PCA)を発足し、元ジャーナリストのジョセフ・ブーリンを局長に任命する。通常スタジオは脚本をPCAに提出して許 可が出ると映画の撮影を開始し、プロダクション・コードに違反しているとして脚本が却下された場合は、PCAの許可が下りるまで書き直しが行われる。その 後、完成した映画の検査が行われ問題がなければMPPDAの認可マークが与えられるが、この認可マークがなければMPPDAに加盟しているスタジオ系列の 映画館では映画を上映することは出来なかった。45年にヘイズは引退し、エリック・ジョンストンが二代目会長に就任すると、MPPDAは「ジョンストン・ オフィス」と呼ばれるようになる。また、PCAの局長ジョセフ・ブーリンの名前を取って「ブーリン・オフィス」とも呼ばれていた。