映画放送趣味の部屋 ~ ソフィスティケーテッド・コメディ
エルンスト・ルビッチやビリー・ワイルダー監督の映画に代表される都会的で知的に洗練された喜劇。ソフィスティケーションとはギリシャ哲学の一派である詭弁家のソフィストから生まれた言葉で、詭弁のほうではなく知的でスマートな面をさす。トーキーの到来によって騒々しいだけのスプラスティックな喜劇は次第に影をひそめるが、その反面トーキーの売りの一つであるセリフの魅力や面白さを最大に生かして男女の恋愛合戦を面白おかしく描いたルビッチ監督の『生活の設計』(33)、ジョセフ・L・マンキウィッツ監督の『三人の妻への手紙』(49)、ジョージ・キューカー監督の『アダム氏とマダム』(49)などのソフィスティケーテッド・コメディが観客から絶大な支持を得て、笑いだけでなく映画の舞台となる上流社会やプロフェッショナルな世界はキャサリン・へプバーンやケーリー・グラントら映画スターたちの華麗な演技と相まって観客に夢を与えた。