映画放送趣味の部屋 ~ サイレント映画(無声映画)
チャールズ・チャップリンや、バスター・キートンのスラップスティック・コメディで おなじみの、セリフや音響の無い映画を指す。サイレント映画のセリフやストーリーは画面と画面の間に挿入される字幕(インター・タイトル)、日本では活動 弁士によって説明され、音楽は上映時にピアノやオーケストラによって生演奏された。効果音や声を録音する必要がないため、防音のスタジオを必要とせず、悪 声でも顔がよくて多少演技が出来れば俳優になることができた。しかし、俳優がしゃべらないとはいえ、カットバック、 クローズアップ、移動撮影といった現在の映画の撮影技法やストーリー・テリングを形成したD・W・グリフィス監督による一連の作品や、モンタージュという 編集によって製作者の意図を語る手法を確立したセルゲイ・エイゼンシュタイン監督の『戦艦ポチョムキン』(25)など、現在の映画のスタイルを形成した貴 重な作品が多く、フランスの前衛映画運動やドイツの表現主義など芸術的な映像表現を追及する実験的な映画もサイレン期に多数製作された。27年に初のトーキー 『ジャズ・シンガー』が公開されるとハリウッドはトーキーに移行してゆき、チャップリンら数名の映画人はサイレント映画を作り続けるものの、トーキーの発展に反比例してサイレント映画は人気を失ってゆく。