映画放送趣味の部屋 ~ ギャング映画
アメリカの裏の世界を舞台に、夜の大都会に巣食うギャング達の抗争を暴力的に描いた映画を指す。1920年にアメリカでは禁酒法が発令さ れたが、ギャングたちはこれを破って密造酒を販売し、この利益をめぐったギャング達の抗争が20年代後半から表面化する。毎日のように報道されるギャング 達の抗争のニュースは、映画スタジオの格好の素材となり、メジャー・スタジオのワーナー・ブラザーズ社が先頭に立ってエドワード・G・ロビンソン、ジェームズ・キャグニー、ジョージ・ラフトといった俳優たちを起用してギャングを主人公にした映画を量産する。ギャング映画が隆盛を極めるのはトーキー時代に入ってからで、効果音の導入による派手なマシンガンや拳銃の轟音、ギャング独特のタンカやスラングなどによってギャング映画の人気は頂点に達し、暗黒街のボスにのしあがった男の栄光と破滅を描くマーヴィン・ルロイ監督の『犯罪王リコ』(30)や、アル・カポネをモデルにした変質的なギャングの数奇な運命を描いたハワード・ホークス監督の『暗黒街の顔役』(32)等の傑作が生まれる。しかし、犯罪者をヒーローとして描くハリウッドのやりかたに人々は難色を示し、プロダクション・コードによる規制もあって、ギャングはヒーローとしてではなく人生の敗北者として描かれることが多くなる。